「チームのために」
この言葉を聞いて、あなたはどう感じるだろう。
俺はプロサッカー選手として10年間チームスポーツの最前線にいた。
- 引退後は人材派遣の営業マン
- Webマーケティングの会社員
そして今は複数の収入源を確保して自由気ままに働いている。
サッカーのチームと、会社の組織。
まったく違うように見えて、構造は同じだ。
結論から言う。チームワークは大事だ。
でも「チームのために」を盲信すると、あなたが壊れる。
この記事では、俺がサッカーと仕事の両方で学んだ「組織で消耗しない3つの鉄則」を話す。
サッカーと会社の両方で気づいた「チームの真実」

プロの世界では、この言葉がよく飛び交う。
監督がよく使う。
チームメイトもよく言う。
メディアも「献身的なプレー」を美談にする。
俺も若い頃はそう信じていた。
でも10年間プロの世界にいて、引退後に会社員になって、ある真実に気づいた。
みんな自分が一番かわいい。
これは悪口じゃない。人間の本質だ。
監督も、コーチも、トレーナーも、先輩も。
本当に自分のことを考えてくれる人は「常にそうでいられる人がいない」。
余裕がある時は助けてくれる。
でも余裕がなくなれば、自分を守ることで精一杯になる。
人命救助を思い浮かべてほしい。
溺れた人を助けるには、まず自分が呼吸できて冷静でないとダメだ。
まず自分の酸素を確保する。
これがサッカーでも会社でも起きている。
組織で消耗しない3つの鉄則

| 鉄則 | ひと言で |
|---|---|
| 「みんな自分が一番かわいい」と知れ | 期待しすぎない |
| 自分の価値は自分で守れ | 利用されない |
| チームを「利用」しろ。 利用「される」な。 | 主導権を持つ |
この3つを知っているだけで、サッカーでも会社でも消耗しなくなる。
今日からできる3つのチェック
組織で消耗しないために、今日から意識してほしいことがある。
- 「これは誰のためにやっているのか?」と自分に問う
- 自分の「不可欠な価値」をひとつ言語化する
- 「チームのために」と言われた時、
それが本当にチームのためか考える
この3つを意識するだけで、組織との向き合い方が変わる。
「みんな自分が一番かわいい」と知れ|期待するから消耗する

結論:他人に期待しすぎるから、裏切られた気持ちになる。
最初から「みんな自分が一番かわいい」と知っていれば、ダメージは半分になる。
サッカーで味わった現実
俺はFWだった。
FWの一番大事な仕事は点を取ることだ。これは不変の真理。
でも監督からはこう言われる。
「FWでも全力で守備しないと上へは行けないぞ」
若い俺はこの言葉を信じて、必死に守備をした。
前線からプレスをかけ、全力で走り回った。
今ならわかる。あの言葉の本質は、
監督が失点を減らして自分のチームの勝率を上げたかっただけだ。
FWにも守備をさせれば、失点のリスクが下がる。
これは監督が悪いわけじゃない。監督も自分の立場を守っている。
みんな自分が一番かわいいんだ。
でも事実を言えば、3失点しても4点決められるFWがいたら、チームはそいつを使う。
クリロナとかメッシとかまさにそれに当たる。
つまりFWにとって最も大事なのは、守備の量ではなく得点の質だ。
でも監督の言葉を鵜呑みにして、得点の練習時間を守備に費やしたら?
自分の最大の武器を磨く時間が減る。
これがまさに、「チームのために」が自分を壊す構造だ。
会社でも同じ構造がある

会社でも全く同じことが起きる。
仕事ができる人ほど、この言葉で仕事を振られる。
断れない。だって「チームのために」と言われたら、断るのはわがままに見える。
でも冷静に考えてほしい。
その仕事を振った上司は、
自分の仕事を減らしたいだけかもしれない。
心理学に「リンゲルマン効果」という考え方がある。
綱引きの実験が有名だ。
1人で引く力を100%とすると
- 2人では93%
- 3人では85%
- 8人ではたった49%
にまで一人あたりの出力が落ちる。
人数が増えるほど、一人ひとりの力は抜けていく。
これがチームの真実だ。
全員が100%の力を出しているわけじゃない。
一生懸命やっている人の隣で、
手を抜いている人がいる。でも給料は同じ。
サッカーでも同じだった。
全力で走る選手と、サボる選手がいる。
でもチームが勝てば全員が称えられる。
だからこそ、「みんな自分が一番かわいい」と知っておくことが大事なんだ。
期待しすぎない。でも信頼はする。
この微妙なバランスが、組織で消耗しないコツだ。
自分の価値は自分で守れ|言われるがままは搾取される

結論:自分の軸がない人間は、使われるだけ使われて切られる。
自分の価値を自覚し、それを守る意識がないと、組織に食い物にされる。
プロサッカーで学んだ「搾取の構造」
プロの世界は残酷だ。
俺はこの3つすべてを経験した。
特に監督に干された時期は、精神的に一番きつかった。
練習には参加する。でも試合に出られない。
メンバー外の選手は、試合日にスタンドで観戦する。
ユニフォームではなく、ジャージでだ。
あの時間が、一番自分を壊す。
「俺は何のためにここにいるんだ」
この問いが頭の中でグルグル回る。
多くの選手が監督に好かれたい、要求されたプレーをしたいと思っている。
会社員が社長や部長に好かれたい心理と同じだ。
でもこの心理が行き過ぎると、自分を見失う。
監督の言うことだけを聞いて、自分の武器を磨かなくなる。
上司の顔色だけうかがって、自分の市場価値を高める努力をやめる。
その結果どうなるか。
人材派遣の営業で味わった「おかしくないか?」

引退後、人材派遣の営業マンになった。
初年度に新人賞を取った。
社員300人規模が小さい会社だか一番になった。
正直、簡単だった。
動いた分だけ結果が出た。
サッカーで培った体力と行動力がそのまま活きた。
でもやがて壁にぶつかる。
自分が信頼を築いて価値を生み出しても、成果の分配は自分で決められない。
取引先の悩みをひたすら聞いて、最適な人材をマッチングする。
信頼関係が生まれて、適正単価で契約できるようになる。
でも、派遣する人材の方への報酬は、自分の権限では上げられなかった。
「会社員っておかしくないか?」
この疑問が生まれた。
毎月固定給。
リスクを取っていないから、給料は固定で裁量も変わらない。
ミスが起きると上は守ってくれず、下に責任を押し付ける。
トカゲのしっぽ切りだ。でも給料は同じ。安定の代わりに自由がない。
サッカー選手の世界は厳しかった。
パフォーマンス=報酬の世界だ。
筋が通っていた。
会社員は違った。
結果を出しても出さなくても、給料はあまり変わらない。
この経験から俺は学んだ。
自分の価値は、自分で守らないと誰も守ってくれない。
組織に所属するのは悪いことじゃない。
でも「組織が自分を守ってくれる」と思った瞬間、搾取が始まる。
チームを「利用」しろ。利用「される」な|主導権を手放すな

結論:チームを否定するんじゃない。
チームを「自分の価値を上げる場所」として使え。
利用されるのではなく、利用する側に回れ。
「チームが勝てば自分の価値が上がる」は事実
ここまで読んで、「こいつはチームワークを否定しているのか」と思った人がいるかもしれない。
違う。俺はチームを否定していない。
事実、チームが勝てば自分の価値が上がるパターンもある。
優勝チームの一員であれば、移籍市場での評価は上がる。
売上No.1の部署にいれば、転職市場でのアピールになる。
大事なのは自分の頭で考えることだ。
チームに貢献するのか、チームに搾取されるのか。
この線引きを自分で決める。
俺がプロになった時の話をしよう。
大学4年の時、スカウトは一切なかった。
知り合いのツテを頼り、自分からJクラブに練習参加を申し込んだ。いわば「営業」だ。
3つのJクラブに練習参加した。わずか1週間の練習参加で覚えてもらうための戦略を立てた。
戦略はこうだ。まず「知ってもらう」ことが最優先。
サッカーだけじゃなく、一発芸もやった。
チームに馴染み、人として印象に残ることを意識した。
俺の良さは「スルメイカ」のようなタイプだ。
噛めば噛むほど味が出る。
- だからまず知ってもらい
- 興味を持ってもらい
- 追いかけてもらう流れを作った
結果、1チームが興味を持ち、公式戦まで見に来てくれた。
12月末にギリギリで内定が決まった。
ここで学んだことがある。
行動だけでは足りない。行動×戦略の掛け算が必要だ。
これはチームの中でも同じだ。
ただ「チームのために」と闇雲に走るのは、行動だけで戦略がない状態。
自分の価値をどう高めるか考えた上でチームに貢献するのが、行動×戦略だ。
心理学で「自己決定理論」という考え方がある。人間が最もやる気を出すのは、「自分で決めた」と感じている時だ。自律性、有能感、関係性の3つが揃った時、人は最高のパフォーマンスを発揮する。
逆に言えば、「やらされている」と感じた瞬間、やる気は激減する。
「チームのために」と言われてやる守備と、「この場面で守備をすれば自分の評価が上がる」と自分で判断してやる守備。同じ守備でも、動機が違う。
ギャラップ社の調査(State of the Global Workplace 2024)によると、日本の従業員エンゲージメント(仕事への熱意)はわずか6%で、世界143カ国中で最低水準だ。
つまり日本の会社員の90%以上が「やらされている」と感じている。
これは個人の問題じゃない。組織の構造の問題だ。
サッカーも同じだった。「やらされている守備」をしている選手のチームは弱い。
チームを利用するとは、自分の意思でチームに貢献することだ。
やらされるのではなく、自分で選ぶ。
この主導権を手放すなと。
なぜこの3つの鉄則が効くのか|心理学とデータが証明する

リンゲルマン効果が教える「チームの限界」
リンゲルマン効果の本質は、「責任の分散」にある。
チームが大きくなるほど、「自分がやらなくても誰かがやる」と感じる。
結果、全体のパフォーマンスは下がる。
でも逆に言えば、自分の役割が明確な人間は手を抜かない。
サッカーのポジションはまさにそれだ。
役割が明確だから、手を抜きようがない。
会社でも同じだ。
自分の役割、自分の価値を明確にしている人間は、組織の中でも消耗しない。
エンゲージメントの崩壊が示す「日本の組織の歪み」
日本のエンゲージメント6%が世界最低水準なのは偶然じゃない。
これらが複合的に重なって、
日本の会社員の90%以上が「やらされている」と感じている。
俺がサッカー選手から会社員になって最初に感じたのもこれだった。
サッカーは厳しかったけど、自分のパフォーマンスが正当に評価される世界だった。
会社員になって、頑張っても頑張らなくても給料が変わらない世界に驚いた。
「みんなよくやってるな」と本気で思った。
だから俺は三足のわらじを履いている。
会社員、ブロガー、サッカー指導者。ひとつに依存しない。
収入源もアイデンティティも、一つに頼らない。
これが俺なりの「組織で消耗しない方法」だ。
「でも、結局チームプレーが大事でしょ?」への答え

ここまで読んで、こう思った人もいるだろう。
「理屈はわかるけど、結局チームプレーが大事なんでしょ?」
その通りだ。チームプレーは大事だ。
俺が言いたいのは、チームプレーを否定することではなく、チームプレーの「中身」を自分で選べということだ。
「言われたからやる」チームプレーと、「自分で考えてやる」チームプレーは、見た目は同じでも中身がまったく違う。
行動経済学に「ナッジ理論」という考え方がある。
人の行動を強制せずに、自然と望ましい方向に誘導する手法だ。
組織の「チームのために」という言葉は、ある意味ナッジだ。
この言葉で、個人の利益を犠牲にさせる方向に誘導している。
誘導されていることに気づいているかどうか。
これが消耗する人としない人の違いだ。
Webマーケティングの会社で働いていた時、俺はこの構造の裏側を見た。
「買う側の心理に乗り込め」が合言葉だった。
仮想敵を作り、商品を正義のヒーローに見せ、人に買わせる。
広告も組織も、構造は同じだ。
知った上で選ぶのと、知らずに選ばされるのでは、まったく意味が違う。
まとめ:組織で消耗しない3つの鉄則
| 鉄則 | サッカーでの例 | 会社での例 |
|---|---|---|
| 「みんな自分が一番かわいい」と知れ | 監督の守備要求の本質を理解する | 上司の仕事の振り方の裏を読む |
| 自分の価値は自分で守れ | FWならゴールを取る練習を最優先にする | 自分の市場価値を高めるスキルに時間を使う |
| チームを利用しろ、利用されるな | チームの勝利を自分の評価に変換する | 会社の実績を転職やキャリアに活かす |
俺はチームスポーツを20年以上やってきた。
サッカーは最高の競技だ。
仲間と戦う喜びは、何物にも代えがたい。
でもその「チームの美しさ」の裏側には、
それを知った上で、チームの中で自分の価値を最大化できる人間が、サッカーでも仕事でも生き残る。
俺がプロ生活で出会った本当に一流の選手は、
チームプレーヤーであると同時に、圧倒的な個だった。
チームのために走りながらも、自分の武器は絶対に手放さなかった。
あなたが今、組織の中で「なんかおかしいな」と感じているなら、それは正常な感覚だ。
おかしいのはあなたじゃない。構造がおかしいんだ。
でもその構造を変えるのは難しい。
だから、構造を理解した上で、自分の立ち位置を自分で選べ。
行動しないと何も変わらない。でも闇雲に動くだけでも足りない。
行動×戦略。
これが、サッカーでも仕事でも、俺が信じている唯一の武器になっている。


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