どうやったら点が取れるんだろう?
フォワードで活躍するには何を練習すればいい?
どうすれば世界で通用するストライカーになれるのか?
そのような疑問に答えます。
ただし、ここで大切なのは――
プロになってからの練習法と、育成年代でやるべき練習は全く違う ということ。
プロでは「駆け引き」「ワンタッチゴール」「味方との連携」が重要になってきます。
しかし、育成年代でそればかり意識してしまうと、世界で通用するストライカーにはなれません。
今回の記事では、僕自身の経験をもとに、
理想のストライカー像として「スアレス」や「レヴァンドフスキ」を挙げながら
育成年代で本当にやるべき練習について解説します。
プロのストライカーは司令塔との関係性で点を取る
プロの試合を見ていると、得点シーンの多くは「出し手との関係性」で生まれます。
一人で打開して得点を決めるシーンよりも
ワンタッチゴールが圧倒的に多い。
- 出し手が顔を上げた瞬間にスッと動き出す
- 相手DFにとって最も嫌なスペースへ走る
- そこに司令塔が鋭いパスorクロスを通す
この連携でワンタッチゴールが決まるのです。
実際、日本のストライカーも
中村憲剛→大久保嘉人・小林悠
遠藤保仁→岡崎慎司・本田圭佑
青山敏弘→佐藤寿人といった関係性から多くのゴールが生まれてきました。
しかし、この「駆け引き」「ポジショニング」「ワンタッチゴールの質」は
司令塔の存在によって大人になってからでも十分に伸ばせます。
ストライカーの原点とは?
ストライカーの原点は「相手をかわしてゴールを奪う力」。
- 相手と向かい合った1対1の突破
- カバーに入った選手も含めた1対2、1対3の状況を打開するドリブル
これを何度も仕掛け、失敗しながら挑戦することでしか身につきません。
子どもの頃にドリブルを繰り返しチャレンジした選手は、
プロ(大人)になっても「選択肢としてドリブルが残る」
この選択肢が相手の迷いや不安を生み出します。
世界で通用するストライカーに必要な育成年代の練習
では、育成年代では何を優先すべきか?
答えはシンプルです。
“一人で完結できる力”を徹底的に磨くこと。
僕が理想にしているのは、
ルイス・スアレスやレヴァンドフスキのようなストライカーです。
- スアレスは、自分でボールを運び、一人でフィニッシュまで持ち込む力を持っています。
- それでいて、出し手が顔を上げた瞬間に嫌なスペースへ走り込み、連携でも点を取れる。
レヴァンドフスキも同じ。
キープ力、ドリブル突破力、両足シュートの精度、全てが高いレベルにあり、チームにとって頼れる存在です。
この「個の力」こそが、育成年代でしか身につけられないスキルなのです。
大人になってから身につけようと思っても手遅れになりやすいスキル。
それが次の3つです。
① 狭いスペースでのドリブル突破
- 1対2、1対3でも果敢に仕掛けることでドリブルの技術を磨く
- 相手に囲まれても抜け出せるスキルを磨く
育成年代で挑戦しなければ
大人になってから「ドリブル」という選択肢が消えてしまいます。
② 左右両足からのシュート
- ドリブルからフィニッシュまで両足で決め切れるか
- スピードに乗った状態でコースを狙えるか
繰り返すほど身体に染みつき、将来の得点力に直結します。
ポイント:ドリブルしながらシュートを打てる位置にボールを置けるかどうか。
③ クロスボールへの対応(ヘディング・ボレー)
- ヘディングシュートの回数を増やす
- 当て方の感覚を磨く
大人になってからでは上達が難しい分野。
中高生の段階で「クロスからの得点力」合わせ方と入り方を磨くことが重要です。
ヘディングの上達は、プロになってストライカーの質を分けます。
プロになってから求められるスキル
育成年代で「自力突破力」を磨いた上で、プロになると以下の部分がより重視されます。
- 出し手との関係性:パサーとの連携で質の高いパスを引き出せるか
- ワンタッチゴールの質:一瞬の動き出しと合わせるタイミング
- 駆け引きとポジショニング:相手を“消して・現れる”動きで外せるか
つまり、
育成年代=「自分でこじ開ける力」
プロ世代=「味方を活かして決め切る力」
この2つは全く別物です。
駆け引き・ポジショニングは高校からで十分
「じゃあ、駆け引きやポジショニングはいつからやるの?」と思う方も多いでしょう。
僕の結論は、早くて高校年代からで十分です。
- 育成年代では、まず「個の突破力」を徹底的に磨く
- 高校年代から「駆け引き」「ワンタッチゴール」「ポジショニング」を加える
この順序が、結果的に世界で通用するストライカーにつながると感じています。
まとめ|世界で活躍するストライカーを育てるために
- プロで点を取る方法=「味方との関係性」「駆け引き」「ワンタッチゴール」
- 世界で通用するストライカーになるには、育成年代で「個の力」を磨くことが絶対条件
分かりやすくいうと、ドリブルでゴールをこじ開ける力を磨く - 理想のモデルはスアレス、レヴァンドフスキ。
ドリブル、キープ、両足シュート、クロス対応まで一人で完結できる力が必要 - 駆け引きやポジショニングは高校年代からでも間に合う
育成年代の指導で「世界基準のストライカー」を育てるなら
まずは“個の突破力”を最優先にするべきです。
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