元Jリーガーが語る南葛SCの魅力|関東リーグで輝く“ボールは友達”の攻撃的サッカースタイル

サッカー上達

「地域リーグのサッカーはレベルが低い」
そんな固定観念を持っている人は、南葛SCの試合を一度見てほしい。

僕は元Jリーガーで、JFE・地域リーグでプレーした元サッカー選手です。
その経験から言えるのは——南葛SCのサッカースタイルは、ただの地域リーグの戦い方ではないということ。

初めて彼らの試合を観たとき、クロップ時代のリバプールを見たときのようなワクワク感を覚えました。サッカースタイルは全然違いますが、、、
今回は、その理由を元選手の視点で解説します。


南葛SCのサッカースタイル|時間とスペースのないゴール前で勝負

南葛SCの最大の特徴は、時間とスペースがないゴール前の密集地帯に、迷わず縦パスを入れ続けること。ゴールに向かう姿勢は観客としては刺激的。

しかもそれを試合を通して繰り返し行い、
中央からゴールを奪いにいくバスケットのような攻撃回数を誇ります。

  • 24年シーズン:ボールは持っているが、ゴールに迫る回数は少なく「持たされている」印象
    相手チームはボールを持たすことで体力的に余裕を残している印象がありました。
    元選手目線からしても、ボールを待たれると持たすでは全然違います
  • 25年シーズン:試合を重ねるごとに攻撃の形が洗練され、中央突破の回数とスピードが劇的に増加

結果として、相手チームはショートカウンターを仕掛ける体力すら残らないほど疲弊している印象。
これほど攻撃的でリスクを恐れないチームは、関東リーグでは珍しい存在です。

後半になると一気にペースダウンする傾向にありましたが、そこも試合を重ねるごとに技術でカバーしている印象です。


クロップ時代のリバプールとの共通点と相違点

南葛SCはクロップ時代のリバプールとスタイルは異なりますが、共通点があります。

  1. ゴールに迫る回数の多さ
  2. センターバックも判断次第で高い位置まで上がる積極性
  3. リスクをかけた攻撃ゆえにピンチも多い展開
    ※南葛SCサポには申し訳ないが、観ていてピンチも楽しい。

相違点は、
現代サッカーの守備戦術が時間とスペースを削る中、さらに中央突破を戦略の中心に据えていること。
これは見ている側からすると最高に刺激的ですし、元選手としては羨ましく、学びにもなります。

勝利至上主義の関東社会人サッカーリーグの中で考えられないサッカーをしています。

しかも、この試合がYouTubeで無料配信されている。
サッカーを学びたい選手や、育成年代の保護者にはぜひ見てほしいコンテンツです。


風間監督の哲学と選手の成長

僕は風間監督の全貌を知るわけではありませんが、徹底的に技術を求めるサッカーという印象があります。

名前はふせますが、僕が追いかけているFWの選手がいます。
荒削りで決定力も課題ですが、動き出しがシャープになり、余計な動きが試合を重ねるごとに減っている印象。
試合中に本当に楽しそうにプレーしている。しかも、毎試合うまくなっていて羨ましさも感じるほど。

地域リーグの多くのチームは勝利至上主義で、フィジカル頼みの安全なサッカーを選びます。
監督も1年で契約満了になるリスクを避けたいので、リスクを冒すチームは少ない。

そんな中、南葛SCは勝つことと観客を魅了することを両立し、しかも継続している
これは現代サッカーの勝利至上主義へのヒントになるのではないかと、僕は衝撃を受けました。


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関東リーグは甘くない

誤解されがちですが、関東リーグのレベルは非常に高いです。

  • フィジカル能力の高い選手が多い
  • インテンシティ(強度)が高く、90分間の消耗度はJリーグに匹敵
  • 戦術的にも簡単には崩せない

そんな環境で、南葛SCのような高リスク・高リターンの攻撃的サッカーを成立させるのは容易ではありません。


2025年シーズンの進化ポイント

最大の進化は、攻撃回数の増加と中央突破の質向上です。

24年はショートカウンターを受けやすく、相手を疲弊させることができませんでした。
しかし25年は中央突破を増やすことで、相手の体力を削り、守備組織を崩壊させる試合展開が増えています。

育成年代のヒントになるのではないかと思います。


JFL・Jリーグ昇格への可能性 昇格することでより南葛スタイルが出せる理由

このスタイルは、JFLやJ3でも十分通用する。
理由は以下の通りです。

  1. 魅力的なスタイルが良い選手を惹きつける
  2. 選手が「上手くなっている」実感を得られる環境
  3. フィジカルサッカーよりも足元の技術で戦える環境に適応している

地域リーグ経験者ならわかると思いますが、頭上を通過するロングボールよりも、足元でプレーできる環境の方が技術を発揮しやすい。

JFL以上のカテゴリーになると、技術的要素が増えるためロングボールを多用する地域リーグとは違いフィジカル要素も少しは軽減するためです。
南葛SCのサッカーは、上位カテゴリーでこそ真価を発揮するはずです。


まとめ

  • 南葛SCは時間とスペースのないゴール前で勝負する攻撃的サッカーが魅力
  • 関東リーグという高強度環境で、リスクを恐れず中央突破を繰り返す
  • 風間監督の哲学は技術を徹底的に追求し、選手の成長を促している
  • 2025年シーズンは攻撃回数と質が飛躍的に向上
  • JFL・J3でも通用する可能性が高い

僕は一サッカーファンとして、南葛SCの試合をYouTubeで見るのが楽しみで仕方ありません。
もしこの記事で興味を持った方は、ぜひ一度試合映像をチェックしてみてください。
きっと、あなたも「ワクワクするサッカー」を体感できるはずです。

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