プロサッカー選手になったら、最初に何をすればいいの?
契約のこと、税金対策まで分からない…
保険は入ったほうがいいのかな?
こういった疑問に答えます。
現在、日本のプロサッカーはJ1〜J3、JFL、地域リーグまで5カテゴリーあり、プロとして契約できる選手は年々増加中。その一方で、早期に引退する選手も多く、資産形成をしないまま引退を迎えて苦労しているケースが多い。
私は10年間プレーし、最高月給35万円という条件下でも7年で1,000万円の資産を作ることに成功。
本記事では、新人サッカー選手が最初にやるべき行動と装備品、節税・資産形成の方法を、私の経験をもとに解説します。
プロは「個人事業主」|開業届を出して青色申告するべし
サッカー選手は雇用契約ではなく業務委託契約です。
つまり「自分株式会社」の社長であり、収入管理や節税はすべて自分で行う必要があります。
トップ選手になれば、税理士に依頼していることがほとんどですが
新人選手は自分で確定申告することをオススメします。
最初の一歩は開業届の提出
- 目的:青色申告で最大65万円控除
- 提出先:税務署
- 提出物:開業届+青色申告承認申請書
実は、この2つは無料で提出可能。
しかも「弥生」や「マネーフォワードクラウド」を使えば、オンラインでラクに作成・提出可能。

特におすすめはマネーフォワードクラウド。理由は、資産管理アプリ「マネーフォワードME」と連携でき、日々の支出や収入を自動で可視化できるからです。

そもそも確定申告ってなに?
「確定申告(かくていしんこく)」って聞くと、
「なんか難しそう…」「税金の人しか分からない話でしょ?」と思うかもしれません。
でも実は、お小遣い帳と同じくらいシンプルな仕組みです。
確定申告は「お金の成績表」を国に見せるイメージです。
しっかりやれば税金が安くなったり、お金が戻ってくることもあります。
だから、プロになったら最初の年から必ずやっておきましょう。
1. 確定申告を一言でいうと?
1年間に「いくら稼いだか」と「いくら使ったか」を国に報告することです。
報告する理由は、税金を正しく計算するため。
2. なんでそんなことをするの?
税金は「稼いだ金額」によって変わります。
でも、サラリーマンと違って個人事業主(フリーランスやスポーツ選手など)は、
会社が代わりに税金を計算・納税してくれません。
だから自分で「収入」と「必要な出費」をまとめて国に教える必要があります。
3. お小遣い帳でたとえると…
たとえば、あなたがお小遣いを稼ぐために家の手伝いをして、月に10,000円もらっているとします。
その中で「スポーツの道具代」「ノートやペン代」みたいに仕事に必要なお金も使いますよね。
確定申告では、この「必要な出費(経費)」を引いて、残った金額に税金をかけるんです。
例:10,000円(収入)ー3,000円(必要出費)=7,000円(残った金額)
この残った金額7,000円に税金をかけます。
4. もし確定申告をしないとどうなる?
- 税金を払いすぎて損をする(経費が反映されない)
例:10,000円✖️10%=1,000円
7,000円✖️10%=700円
300円の差が発生します。確定申告すると経費(出費)が反映された金額に対して税金をかけるのでしないと損をします。 - 逆に、税金を払わなさすぎて後でまとめて請求される(しかも罰金つき)
→ どちらも避けたいですよね。
5. サッカー選手の場合の例
- 収入:契約金、年俸、勝利給、スポンサー料など
- 経費:スパイク代、移動費、栄養サプリ、トレーニング機材など
食事もサッカー選手は必要な経費になります。
これらを1年間分まとめて、国に申告します。
必要装備品リスト
① パソコン(MacBook推奨)
- 理由:確定申告、動画分析に必須
- 軽量で遠征にも持ち運びやすい
理由は2つあります。
安定性と資産価値が高い
頻繁に買い替える必要がなく、5年以上ストレスなく使える。
私自身も契約1年目に購入したMacBookを、未だに現役で使えています。
会計ソフトや資料作成との相性
マネーフォワードクラウドやGoogleスプレッドシート、
Zoomでのオンラインミーティングもスムーズ。
MacBookは節税対策の実務と選手生活を両立させるための投資と言えます
② 会計ソフト
- 青色申告の複雑な帳簿を自動化
- おすすめ
- 弥生の青色申告オンライン
- マネーフォワードクラウド
会計ソフトを使うと複雑な帳簿が簡単に作成できます。
初年度は無料ですが、2年目以降費用が発生します。それでも圧倒的にコスパ最強です。

③ クレジットカード
- 支出を一本化して家計管理
- おすすめ
- 楽天カード
- 三井住友ナンバーレス
個人的には、年会費がかかりますが楽天プレミアムカードがオススメです。
圧倒的コスパと特典がサッカー選手との相性抜群で現役時代何度も助けられました。
もう一つクレジットカードを作る理由は
確定申告をより楽にすることができること・資産形成に相性が良いためです。
④ 家計簿アプリ(マネーフォワード ME)
- 月500円の有料版で複数口座を自動連携
- 支出の可視化で無駄遣い防止
マネーフォワードクラウドと連携することで、確定申告があっという間にできます。
資産の可視化によって、無駄遣いの見える化ができます。
節税&資産形成の必須3本柱
① 小規模企業共済(節税+将来資金)
- 掛金:月1,000円〜70,000円(マックス7万円)
- メリット
- 掛金が全額所得控除(節税効果大)
- 自分年金として引退後に受け取れる
- おすすめ:年俸が480万円近い選手は7万円満額で加入
小規模企業共済は、個人事業主の退職金積立制度。
毎月1,000円〜最大7万円まで積み立てられ、掛金は全額所得控除になります。
年俸が高い選手(480万円前後以上)なら、7万円フル活用が鉄則。
積み立てたお金は引退時や事業廃止時に受け取れるので、まさに“将来の自分への退職金”になります。
② つみたてNISA(非課税運用)
- 口座開設先:
- 楽天証券
- SBI証券
- メリット
- 運用益が非課税(通常20.315%かかる税金が0%)
- 長期・分散・積立でリスクを抑えつつ資産を増やせる
③ 保険でリスクをカバー
- 入院保険:怪我で試合に出られない期間の生活費を補填
- 手術保険:手術費用や入院費の自己負担をカバー
- 通院保険:怪我後のリハビリ費用も対象
上記保険もサッカー選手は入ることをオススメします。
怪我が起こるリスクが大きい。
その上怪我でプレーすることができなかった場合、勝利給・出場給など収入に直結します。
費用を払ってくれるクラブがほとんどですが、個人的にも保険に入ることでプレーに集中できます。
新人選手やってはいけない
- 高級車・高級時計など「見栄消費」
- 怪我や契約解除に備えず、貯蓄ゼロのまま引退
- 投資・節税を知らずに高額な税金を払い続ける
年俸1,000万円を超えてから高級車・高級時計の購入を検討しましょう。
節税対策になるため、必然的に年俸が上がれば購入することになります。
新人時代の低年俸時は、消費的出費になるため必要ありません。
まとめ|プロ1年目から経営者マインドを持つ
サッカー選手はプレーヤーであると同時に自分自身が経営者。
今日から始めるべき3ステップはこれです。
- 開業届提出(青色申告で節税)
- 装備品を揃える(PC・会計ソフト・カード・家計管理アプリ)
- 節税・資産形成(小規模企業共済+NISA)
収入に余裕があればiDeCo(個人型確定拠出年金)も
お金を守り、増やし、サッカー人生を長く続けられる環境を作ることが、
あなたのピッチ上でのパフォーマンスを支えます。
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